リセットボタン
死に方も残酷よ。あなたのいた世界のようにはいかない。時には骨を砕かれ、妖怪に食われることも多々あるの。それにあなた・・・」

『１度死んだ人間じゃない』

その言葉が蓮花の頭に響いた。
（そう、私は人生を自らの手で止めた。
生きることが苦しくて、やり直したいことがたくさんあって。
死んだらリセットできるんじゃないかって。そう思っていたよ）

ミクロの目は蓮花を蔑んだ目で見ていた。
まるで【そんな中途半端な奴に務まるわけない】と言われているかのようだった。

「そんなの・・・そんなのやってみなきゃわからないじゃない！！やってやるわよ！みてなさい！ミクロ！！」

思わず、呼び捨てにしてしまった・・・
この世界で一番えらそうな人に・・・
やってしまった、と思ったがもう引き返せない。


「・・・ふ・・あははははっ！ごめんなさい、蓮花。」

「え？」

城を追い出されると思っていた蓮花はミクロの反応に驚きを隠せなかった。
「意地悪して悪かったわ。でも心配よ。私も、【同じ世界】からきたの」

そういうとミクロは儚げな顔をしていた。
悲しく蓮花を見ているようで見ていない、そんな顔をしていた。

「あなたもリセットボタン、押したのね。・・・力を貸すわ。手を出してくれる？」

「あ、は、は・・い」

蓮花はミクロに手を差し出した。
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