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その手をミクロは握り、目を閉じると呪文を唱えた。
「プロテクト」
そう唱えると優しい光に包まれた。
「いい?蓮花、私はあなたの味方。でもこの町の人たちを守らなければならない。だからあなたが困ったとき、辛いとき、言葉にしなくても私が感じ取れるようにしたわ。いつでも力になるわ、信じて」
ミクロはさっきまでとは違う優しい顔つきで蓮花を応援した。
「ありがとう、ございます」
「さぁ、蓮花。先を進みましょうか」
エルと部屋を出ようとしたとき
―「蓮花!!」
大きな声で蓮花を呼び止めたのはミクロだった。
「なんでしょう?」
「これをーー。」
ミクロから渡されたのは剣だった。
「それはエルの相棒が持っていた剣よ。きっと蓮花を守ってくれるわ」
「ミクロ様!それは・・・」
「エル。守るのよ。今度こそ、しっかりと」
「はい!」
ミクロと別れを告げ、メルルを後にした。