友達が欲しい少年と種姫さま
この日、僕に友達が出来た。

勿論、種が友達になったわけじゃない。
友達になったのは、種を植えていた女の子だ。

僕らはお昼ご飯を食べてから、
毎日のように新田山のベンチであった。

いつ行っても、あの子は僕よりも早くに来ていた。
きっと、近くに家があるんだろう。

それを確かめたりはしなかった。

どうしてか、あの子とは、
他の場所では会えないような気がしたから。
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