桜舞う下で、君に誓いを~恋した神様~
「知ってるよ~……神様だしね」

ニコニコ笑ってたレイストは、急にそう言いながら笑顔を崩して私を見る。

「……お前っ!閃を……閃を、どこにやった!!」

後ろから声が聞こえて、私は声がした方を振り向いた。眠りから覚めたらしい利希が、レイストを睨んでる。

「あらら……もう思い出したのか……お前らの力で探してみな。魔法学校の敷地内に隠しといた。じゃあね」

ぶわっと風が吹いた瞬間、レイストは姿を消した。

「……」

レイストが居なくなった瞬間、辺りは静まり返る。

「……ねぇ、ほのか。話、詳しく聞かせてくれない?神様がどうのこうのって……」

そんな沈黙を破ったのは、真剣な顔で私を見つめる利希だった。私は、同じような顔をする庚と葵を見て、深くため息を付く。

「……信じられないかもしれないけど、私は火を司る神様なんだ。私たち、神様は神界って場所で暮らしてる」

そう言って、私は人差し指に小さな火を灯した。

「レイストは、つい最近まで神界で封印されてたんだ。今から15年くらい前、悪神であるレイストが神界を破壊しようとした。それを、私たちは止めるために封印して……とまぁ、こんな感じ。また、閃にも話しておくよ」
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