桜舞う下で、君に誓いを~恋した神様~
その火を消して、私は利希を見る。

「……とりあえず、利希から話を聞きたい。何があったの?」

「……俺らが帰ろうとした時に、ほのかの言っていたレイストってやつが目の前に現れて、『ちょっと誘き寄せるための餌になってもらうよ』って閃を人質に取って……それで、俺は気を失ってしまったんだ」

「そっか……」

「ねぇ、先生。人の居場所を把握出来るような魔法って、無いですか?」

庚は、先生に問いかけた。先生は、少し間を置くと「あるよ」と答える。

「先生、その魔法で――」

「でもね」

庚の言葉を、先生は遮るように口を開いた。

「その魔法を使うには、5人の力が必要なんだ。簡単に使えそうな効果の魔法に見えるけど、実は違う。それに、あなたたちはまだ入学したばかり。魔力はあるとはいえ、魔法を使えないかもしれないし……」

「……」

確かに、そうかもしれない。私だって、魔力を持っているけど、魔法は使えないもん。

「……それでも、俺はやるよ」

利希が先生を見つめる。そして、私たちを見つめた。

「……ダメかな?皆はどう?」

「……はぁ。分かったよ……出来るかどうか、分からないけど……」

葵が深いため息をつく。その後、庚と私が頷いた。
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