桜舞う下で、君に誓いを~恋した神様~
「……分かった」

先生は微笑んで、杖を握り直す。そして、私たちにその方法を教えてくれた。

「良い?この魔法は、把握するってよりも、その人がいる場所の風景を映し出す魔法なんだ。ほのかちゃん。このろうそくに火を灯して」

先生が、魔力を込めて作ったろうそくを私に差し出す。

私は頷くと、火を灯した指先をろうそくに近付けて、ろうそくに火を付けた。

「……っ!?」

次の瞬間、ブワッと風が吹いて、足元に魔法円が現れる。次の瞬間、何かに縛り付けられた閃の姿が脳裏をよぎった。

「……何もしてないのに、魔法が発動した?」

先生は、不思議そうな顔で辺りを見渡す。

……もしかして、私の霊力に反応したのかな?でも、霊力に反応する魔法なんて聞いたことない……。

もしかして、魔法の神様が力を貸してくれたとか?何のために?

「……皆。魔法の時計塔へ行くよ」

色々と考えていると、先生に話しかけられて、私は一旦考えるのを止めた。

「魔法の時計塔?」

庚が首を傾げると、先生は「この魔法学校の敷地内にある時計塔だよ」と説明してくれる。

「時計は一度も狂ったことが無くて、正確だからそう呼ばれてる。よし、行こうか」

先生の言葉に、私たちは頷いた。
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