桜舞う下で、君に誓いを～恋した神様～
「分かりました」

私が頷くと同時に、試験官は動き出した。試験官の素早い動きを、目で追う。

「……縛り上げよ！」

杖先から光の縄が飛んでいって、それは試験官に巻き付いた。ちなみに、この光の縄は使用者が自由に操ることが出来るんだ。

「……それでは、次に行きましょう。次で最後です。最後は、試験でまだ使ってない魔法の中で、あなたが得意な魔法を使ってください」

試験官がそう言った瞬間、別の試験官に巻き付いていた光の縄が消えていく。

……私が得意な魔法……か。今のところは……。

「はい……精霊よ、我に力を与えよ」

杖を構えて、私は呪文を唱えた。ポンと音がして、アシュラが姿を現す。

「……っ！」

試験官の1人は驚いた顔で、アシュラと私を見た。

「……さて、そろそろ正体を見せたらどうですか？レイスト」

鋭い目で、アシュラは試験官の1人を見つめる。

「……ふふっ……あははははっ！」

狂ったように、試験官は笑った。その後、試験官の姿は煙に包まれる。煙が晴れると、試験官が立っていた場所には、レイストが立っていた。

「……やぁ、久しぶりだね」

「レイスト、何しに来たの？」

もう1人いた試験官の前に立って、私はレイストを見つめる。
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