桜舞う下で、君に誓いを～恋した神様～
ゆっくりと私の方を振り向いたライヤ様は「……ごめんね」と悲しそうに微笑んだ。

その言葉とともに、私の体は動かなくなる。私はライヤ様が連れて行かれるのを、ただ呆然と見ていることしか出来なかった。



「――それで、ライヤ様は罰として転生させられて、15年経った今でもライヤ様のことを忘れられない私を見たお父様が、転生したライヤ様を見つけられたなら、結婚を考え直してやるって……」

私が話し終えると、利希は「……ライヤって神様は、本当に騒ぎを起こすような神様なの？」と問いかけてくる。

「ううん。ライヤ様は、絶対にそんなことをする神様じゃないよ……」

「そっか……多分だけど、ライヤ様はほのかを守るためにわざと捕まったんじゃないかな？……何となくだけど、そんな気がする」

葵は私を真剣な顔で見つめながら、そう言った。

「……」

「ほのか、話してくれてありがとう。今から、利希と夏祭りに行くんでしょ？行っておいで」

にこりと、葵は笑って言う。そして、利希に近づくと、葵は利希に何かを言ったのか、利希の顔は赤くなった。

「じゃあ、私と閃は出かけてくる。じゃあね！」

閃の手を掴んで、葵は家を出ていく。利希は「……行こっか」と言って、歩き始める。

私は、利希の後をついて祭り会場に向かった。
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