桜舞う下で、君に誓いを~恋した神様~
「……やっと着いた……」
利希は、祭り会場の広場に来ると伸びをする。
「行こうと言いながら、寄り道したからね……」
利希の家に寄って、私の過去を話すために魔法学校に戻ってから葵の家に行って……。
「そうだね。よし、回ろっか」
私と利希は、色んな屋台を見て回り、演奏を聞いたりした。気が付くと、空は暗くなり始めてる。
「……もうこんな時間なんだ」
空を見上げながら、私は呟いた。
「そうだね……あ、もうすぐ花火が上がる時間だよ。ちょっとこっち来て!」
利希は、離れた所にある階段に近づくと階段に座る。
「俺、毎年花火はここで座って見てるんだ」
私はそう言って空を見上げる利希の隣に座って、利希を見た。
「ほのか……俺ね……俺、ほのかのことが好き!」
顔を赤くして、利希は私の方を見る。
「え……」
利希からの告白に、私は何て返したら良いか分からなかった。
「……でも、ほのかは……庚のことが好きなんだろ?」
「……知ってたの?」
私が問いかけると、利希は「ほのかを見てたら、そうなのかなって思って」と答える。
「……でも、それでも伝えたかったんだ……俺、最近気づいたんだよね。ほのかよりも大切な……守りたい人がいるってことに……」