桜舞う下で、君に誓いを~恋した神様~
「……」

私は、ルトを見つめた。ルトは、まだ楽しそうに笑ってる。

「……ルトは、こんなことをして何がしたいの?」

「……神界を滅ぼすためだよ」

「レイストを見てたら、それは分かった……何のために滅ぼすの?」

私が問いかけると、ルトは何も話さなくなった。一瞬だけ、辛そうな顔になった気がする。でも、すぐに笑みに変わった。

「君には、関係の無い話だ……とにかく、僕はこの世界が嫌いなの」

そう言って、ルトはこの部屋から出ていく。すぐに部屋から出ようとするけど、結界が張ってあるみたいで部屋からは出れなかった。

「……結界……」

私は、そっと結界に触れながら呟く。……庚みたいに、解錠魔法で結界を破れないかな?

私は制服から杖を取り出すと、杖を構えた。

「……解錠」

呪文を唱えてみるけど、何も起こらない。私はため息をつくと、その場で寝転がる。

「庚、大丈夫かな……」

私はそう呟くと、そっと目を伏せた。



しばらくぼんやりとしていると、足音が聞こえてきたから私は体を起こす。

「……ほのか!」

「……利希、閃、葵……」

和服に身を包んだ利希と閃と葵が、私の目の前に現れた。

「話は後でする。とりあえず、今はこの結界を破壊することを考えよう」
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