桜舞う下で、君に誓いを~恋した神様~
「……僕は……誰も傷付けたくないんだ!」

「だからって、俺らを閉じ込める必要はないだろ!」

利希は、庚の言葉に叫ぶ。庚は、私たちの方を向いた。

「……約束した。ライヤさんと……必ず、皆を助けるって!」

そう言って、庚はルトに斬りかかる。ルトは、庚の斬撃を避けてく。

「……」

私は、戦ってる庚を無言で見つめた。ライヤ様は、私たちに怪我をして欲しくないのか……でもね。私だって……。

「……精霊よ、我に力を与えよ」

呪文を唱えて、妖精であるアシュラを召喚する。神様の力で、刀を作り出した。

「……庚。ライヤ様は、私たちを傷つけないようにそう言ったんだよね?でも……私たちも、庚に傷付いて欲しくないんだ。だからさ……皆で戦おう」

私は、魔法で炎を刃に纏わせると結界に向かって刀を振り下ろす。多分、アシュラの力で魔法を強化したら、この結界は破れるはず。

「……破れない……」

私の刀は弾かれて、その衝撃でよろめいてしまった。でも、私は諦めない。結界が破れるまで、何度でも刀を振り下ろすよ。

「……ほのか……僕も力を貸すよ!」

れいは私に近づくと、刀に手を触れる。次の瞬間、炎が強くなったような気がした。
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