桜舞う下で、君に誓いを~恋した神様~
「……ルトは、どこに行ったんだろう」

手に持っていた刀を消しながら、利希は呟いた。

「分からない……とりあえず、ほのか……大丈夫?」

庚は刀を消すと、私の方を振り向きながら微笑む。

「大丈夫……庚、ありがと」

私が笑うと、庚は顔を赤くしたような気がした。

「皆は、どうして神様に……?」

「あ、そっか……後で話をするって言ったっけ。実は、ルトがほのかを連れて行ったのが神界だったからなんだ。その時、庚が目を覚ましてて……皆で助けに行こうって、庚が言ったから」

利希は簡単にだけど、私がいなくなってからの話をしてくれる。

「僕……眠ってる間、ライヤさんに会って色々と話をしてた。ライヤさんは、色々と教えてくれたんだ。僕がライヤさんの生まれ変わりだってこととか……とりあえず、帰ろう。魔法学校に」

庚は、私に手を差し出した。その手を、私は握る。そして、屋敷の出口に向かって歩き始めた。出口の近くで見つけた小さな窓から外を見てみると、もう夜みたいで外は暗い。

「お前が、ライヤ様の生まれ変わりか」

屋敷を出た時、聞き覚えのある声が聞こえてきて、私は辺りを見渡す。

「……お父様……」

お父様は私たちの前まで歩いてくると、庚の前で立ち止まった。

「……ほのかを守ってくれて、ありがとな」
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