桃の華〜溺愛イケメン社長〜
「だったら、付き合う?」

「え?」

急速に胸が高鳴るのがわかるだけで、あとの事は何も考えられない。

今、一体何が起こってるの?

「可愛いな。俺の彼女になってくれる?」

「は、はい」

驚きすぎて何も考えずに返事をしてしまった。
だけど、顔の筋肉が緩んでいきニヤけてしまってる。

そこに料理が運ばれてきて、私は緩みっぱなしの顔の筋肉に力をいれようとしたけど、料理を見てまた緩んでしまう。

「わぁー、美味しそう」

今までこんな料理を食べたことがない。
祖父母と一緒に暮らしているから和食がメインだったし。

早く食べたいけど、テーブルに並べられているフォークやナイフを見てもどれを使えばいいかわからない。
なんで、こんなにいっぱい並んでるの?

「お箸もらおうか」

また顔に出ていたのか、私が困っているのに気付き、桃田さんが気を使って言ってくれてた。

「いえ、教えてほしいです」

「可愛いこと言ってくれるね」

全然可愛いことなんて言っていないと思うけど。
むしろ、テーブルマナーも知らない子どもで恥ずかしい。

「端から順に使うんだけど、マナーなんか気にせず美味しく食べるのが一番だよ」

確かに桃田さんの言う通りだ。
初めてこんなレストランで食事するんだから、しっかり味わなくちゃ。

桃田さんが教えてくれた通り端のフォークてナイフを手に取り、一口食べてみた。

「お、おいしい」

「お口に合ったなら良かった」

「私、こういうレストラン来るの初めてで、今まで食べた事のない美味しさです」

おじいちゃんとおばあちゃんと外食したことは何度もあるけど、和食の蕎麦屋や定食屋さんばっかりだった。

友だちとパスタとか食べに行ったことはあるけど、全然違うよ。

「幸せ」

「こんなので幸せ感じてくれるなら、もっと幸せにするよ」

料理が美味しくて幸せなのもあるけど、もうすでに桃田さんの存在が私を幸せしてくれてる。
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