桃の華〜溺愛イケメン社長〜
「華、スマホばかり見てどうしたの?」

「アルバイト探してるの!」
私、和泉 華は只今バイトを探している。

「急にどうしたの?バイトなんて。おばあちゃんからお小遣いもらってるんじゃなかったの?」

昼休みに友だちのセリナとお弁当を食べながら、スマホを片手に求人サイトを見ていた。

「そうなんだけどね、おばあちゃんのお金じゃなくて自分のお金で欲しい物があって」

「えー、私ならおばあちゃんにおねだりしちゃうな!華のおばあちゃんは優しいから絶対買ってくれるじゃん」

セリナとは高校生になってから知り合って、まだ付き合いは浅いけど、おじいちゃんが死んだ時も励ましてくれた私の大事な友だちだ。

明るくて元気で優しくて、メイクやファッションやおしゃれが大好きなセリナ。
祖父母に育てられたせいかメイクやファッションに疎かった私に、いろいろレクチャーしてくれる。

「ねぇ、ねぇ、セリナ。ここどう思う?」
そう言って、求人サイトを開いたスマホをセリナに見せる。

「和菓子屋?」

「うん!高校生もOKってなってるし、それにおばあちゃんが和菓子好きだから貰えたりしないかなーって」

「華はほんと、おじいちゃんおばあちゃん大好きだよね」

私はすぐさま、和菓子屋に電話をかけて、その日の夕方に面接に行くことになった。

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