桃の華〜溺愛イケメン社長〜
「社長で大人で女子高生なんか本気に相手にしていないんじゃないかって、半信半疑だったけど、本気だってわかりました」

「キミの本気度もわかったけどね。でも華ちゃんは渡さないよ」

恥ずかしそうに可愛いかった桃田さんはもういなくて、かっこよくてまた私の胸をうるさく高鳴らせる。

「隙があったら遠慮なくいただきますんで」

「肝に命じておくよ」

「華ちゃん、また明日ね!」

キムラ君はそう言って帰っていった。

私の事を好きだと言ってくれたキムラ君。
優しくて元気で明るいキムラ君は、友人として大好きだよ。


「いつまで他の男見てるの?」

帰っていくキムラ君を見ていたら、桃田さんが怒ったように言ってきた。

「ご、ごめんなさい」

「あー、ほんと余裕ない!謝らなくていいよ。ただのヤキモチだから」

え?桃田さんがヤキモチ?
それって、私を大好きでいてくれてるってことだよね。

嬉しいよ。
桃田さんがヤキモチを焼くなんて想像すらできなかったりのに。

「桃田さんにヤキモチ焼かれるなんて夢みたいです」

「もう、ほんと可愛すぎ!」

そう言って桃田さんは、ここが外だってことも気にならないのか私を抱きしめてきた。

「み、見られますよ?」

「いいんだよ。華ちゃんは俺のもんだって見せつけてやる」

私も見られてるかもしれないのに、桃田さんに腕を回しギュッと抱きついた。

桃田さんがそんな甘いことを言うもんだから、恥ずかしさよりも桃田さんへの気持ちが溢れ出てしまったんだ。

歩いてる人たちがチラチラと見ていくのがわかる。

「絶対バカップルって思われてるよね」

「ですね」

体を離し、2人とも2人で顔を見合わせて笑ってしまった。

「華ちゃんとならバカップルって思われてもいいんだけどね」

私も、桃田さんとなら周りに何を思われてもいいと思える。
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