桃の華〜溺愛イケメン社長〜
「こちらなんてどうでしょうか?新作のもので…」

そう言って店員さんが勧めてくれたのは大きいダイヤが付いているものだった。

こんな大きなダイヤは私に似合わない気がする。

「これがいいです!」

桃田さんに出張のお土産でもらったネックレスと同じデザインの指輪だ。

ハートが2つ並んでいて、間には小さなダイヤがついている。

「これって、俺があげたネックレスと同じじゃない」

「はいっ!これがいいです」

「そんなに俺が選んだの気に入ってくれてたんだね」


このデザイン、本当に可愛い。
2つのハートが私と桃田さんみたいで、いつも2人の気持ちが寄り添っているように思える。

私は遠慮もなく桃田さんに指輪を買ってもらいお店を出た。

「桃田さん、ありがとうございますっ」

車に乗るなり、桃田さんが指輪を薬指にはめてくれた。

「か、可愛い」

「これで華ちゃんの薬指は予約出来たよね」

え?それってどういうこと?
いつかまた薬指に指輪をはめてくれるってことなのかな。

その指輪は結婚指輪ってことだったら嬉しいな。

私はまだ高校生だし、結婚なんて考えた事もなかったけど、桃田さんと結婚したいって思う。

むしろ、相手は桃田さん以外あり得ないよ。


「華ちゃんは予約しなくて大丈夫?」

「え?」

「俺の薬指」

予約したいに決まってるよ。
いつか、私も桃田さんの薬指に指輪をはめたい。

「予約します」

「華ちゃん限定で受付ます」


桃田さんと出会ってから幸せなことが多すぎるよ。

私も桃田さんを幸せいっぱいに出来ていたらいいな…。

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