桃の華〜溺愛イケメン社長〜
「華ちゃんはガキじゃないよ。俺にとってたった1人の女性だよ」

桃田さんの言葉ひとつで救われる。

桃田さんに相応しくないとわかっていながら、桃田さんが私を選んでくれたんだとも思えるよ。

だから、誰からも認められるような、桃田に相応しい女性になりたい。


桃田さんの会食の時間が迫り、私は桃田さんに家まで送ってもらい帰ってきた。

相応しい女性になるための第一歩として、自分磨きをしよう!

まずは今の私に出来ることからだよね!

動画で体操を見てやってみたり、メイクも勉強を始めた。

「華、急にメイク教えてってどうしたの?」

学校でセリナにメイクを教えてもらう事にした。

セリナは美容やファッションが大好きで、メイクも凄く上手。

「昨日ね、アヤミンさんに会ったんだ」

「へ?アヤミンって夏木アヤミ?」

「うん。凄く綺麗だった」

艶のある髪に、白くて綺麗な肌。
華奢だけど、スタイルが良くって、同じ女だと言うのが恥ずかしいくらい綺麗な人だった。

「ちょっと待って!アヤミンに会って、何でメイク?」

私は昨日、桃田さんの会社でアヤミンさんに会った話をした。

「要は、自分を磨いて桃田さんを取られないようにするってことね」

セリナに言われて、そうなのかもって気づいた。

あんなに綺麗な人だと、桃田さんもアヤミンさんに心変わりしちゃうかもしれないよね。

可愛いって言ってくれるからって、何もしないで幸せに浸っていては駄目だ。

「華は十分可愛いけどね。アヤミンにも負けないと思うよ」

「いやいや、それは無いよ。すごく綺麗だったもん」

「華はちょっとくらい自信を持った方がいいかもね。でも、好きな人の為に綺麗になりたいって言うのは良くわかるよ」

放課後にセリナと一緒にコスメを買いに行くことになった。

デートの服を買う時もセリナに付いてきてもらって、いつもいつとセリナにはお世話になって感謝しかないよ。

セリナ、ありがとう。
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