桃の華〜溺愛イケメン社長〜
私はセリナに電話をかけて、セリナの家に行った

「華、どうしたの?大丈夫?」

玄関で泣く私を心配してくれるセリナ。

私はおばあちゃんに泣いている姿を見せたくなくて、セリナの家に泊めてもらうと連絡をした。

セリナは自分のベッドを私に貸してくれて、理由も言わずに泣き続ける私のそばに何も聞かずにいてくれた。

私はセリナのベッドで一晩中泣き続けて、気づいたら眠ってしまっていた。

朝目覚めると、横でセリナが寝ている。


桃田さんと別れる日が来るなんて思ってもみなかったな。

薬指の指輪を眺めながら、いろいろな事を思い出していた。

私はきっと一目惚れだったんだと思う。

バイトの面接の帰りに桃田さんにぶつかった時から、私は桃田さんに惹かれていた。

その後はドキドキさせられっぱなしで、付き合ってからはどんどんと好きになっていった。

本当に幸せだったな。

「華、おはよ。起きてたの?」

「おはよう」

今日が週末でよかった。
1人だったらまた泣き出してしまいそう。

「セリナ、何も聞かずにいてくれてありがとう」

「言えないこともあるよね。私も彼氏が浮気した時、誰にも言えなかったから」

そんな話知らなかった。
でも、セリナの言えない気持ちはすごく理解できる。

「でも、今ならこんなにあっさり話せるよ」

もしかしたら、セリナは桃田さんが浮気したと思っているのかもしれない。

「思い出したら今でも腹が立つけどね!」


セリナの家を出て帰ってきた。

「おばあちゃん、ただいま」

「おかえり」

桃田さんのことニュースになっていたからおばあちゃんも知ってるよね。

おばあちゃんに何て説明したらいいんだろう。

私が桃田さんと別れたらおばあちゃんも悲しむかな。


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