桃の華〜溺愛イケメン社長〜
初めてのキス…

それはとても優しくて、寒いのにむねだけは熱くて温かな幸せに包まれていた。


「桃田さん、私すごく幸せです」

唇が離れてそう言うと、桃田さんは私をギュッと抱きしめてきた。

「俺も、すごく幸せだ」

きっと、クリスマスの街中に溢れ返る恋人たちの中で私たちが1番幸せなんだって思える。



新しい年を迎えた。
朝から桃田さんが家にやって来て、一緒におせちを食べてから初詣に行くことになった。

私は桃田さんが誂えてくれた着物を見に纏い、家を出た。

「桃田さん、着物ありがとうございます」

クリスマスプレゼントも婚約指輪をもらったばかりなのに、今度は着物まで買ってもらうなんて。

それに着付けてくれた時におばあちゃんが、すごく高いものだろうって言っていた。

「俺が華ちゃんに着てほしかったんだよ。でも1から選んで作らせたけど、俺好みの着物が出来て良かったよ」

この着物、桃田さんが選んで私のために作らせたんだ。

着物なんてすぐに仕上がるものじゃないのに、いつから私と初詣へ行こうと考えてくれていたんだろう。

2人でお賽銭をして、手を合わせる。
お願い事をして神社を後にした。

「華ちゃん、何お願いしての?」

「えっと、この幸せが続きますようにって…」

それと、神様に桃田さんと出会わせてくれたことにありがとうど伝えた。

「その願い事、俺が叶えるよ。必ず」

「桃田さんの願い事は何ですか?」

私も桃田さんの願い事を叶えたいな。

「華ちゃんの願い事が叶いますように…」

桃田さんはどこまでも私のことばかり考えてくれている。

私は本当に幸せ者だよ。

「桃田さん、大好きです」

「俺も大好きだよ。今年もよろしくね。きっと華ちゃんが好きすぎて、鬱陶しいだろうけど」

「鬱陶しくなんてならないです。私は桃田さんに好きでいてもらえる事が何より幸せなんです」

「ほんと、可愛すぎるよ」

そう言って、着物ごと私を抱きしめてしまう桃田さん。

新しい年も、来年も再来年もずっとずっと、桃田さんといられるといいな。

それが、私の幸せだから。


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