桃の華〜溺愛イケメン社長〜
「お腹すいたでしょ?出前頼んでおいたから、ちょっと待っててね」

桃田さんは怪我してるのに、何もかもやってもらって申し訳ないよ。

怪我してるときくらい、私がしっかりしなきゃ。

「俺も顔とか洗ってくるよ。お風呂入れないし」

「じゃ、私、背中拭きましょうか?」

それくらいなら出来ると思ったけど、桃田さんの筋肉質で大きな背中に見とれてしまう。

だけど、脇腹のガーゼに目がいく。

こんな綺麗な体に傷をつけてさせてしまったんだよね。

「華ちゃん、どうしたの?」

体を拭くてが止まってしまっていて、桃田さんは首をひねり私を見てくる。

「傷、残りますか?」

「どうだろう?でも消えなくても気にしないよ」

そう言って、桃田さんは体ごと私の方に向けてきた。

「きっとこの傷を見るたび、華ちゃんが俺の服を着て、俺と同じシャンプーの匂いをさせて、俺の背中を拭いてくれたことを思い出すだろうから」

「桃田さん…」

桃田さんの顔がゆっくりと近づいてきて、私は瞳を閉じた。

4度目のキスをされるのかと思ったら、インターホンが鳴った。

「キスはお預けだな」

お預けを食らった私たちは、やって来た出前のお寿司を食べた。

そして一緒にベッドに入ってからは、数えきれないほどのキスを交わして、もう何度したかもわからなくなった。

翌朝
目覚めると、桃田さんに抱きしめられていて、桃田さんの顔を見つめる。

桃田さんが眠っている時じゃないと、こんなに間近で桃田さんを見ていられないよね。

どうしてこんなカッコいいんだろう。
寝顔の桃田さんも本当にカッコいい。

桃田さんの頬をソッと触る。

「ほんと、カッコいいなぁ」

いつまでも見ていられそう。

「華ちゃんも可愛いよ」

「お、起きてたんですか?」

ゆっくりと目を開けて、私を見つめてくる桃田さん。

聞かれていたと思うと恥ずかしすぎる。

「華ちゃんが目覚める前から起きてたよ」

え?
起きていたなんて全然気づかずに、私はずっと桃田さんを見つめて、頬を勝手に触っちゃってたよ。
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