3度目の正直〜幸せはそこに落ちていた〜
そしてその頃、私は部活での人間関係に悩んでいた。

チームに馴染めない自分が憎かった。

ただそれだけのことなのに同級生や後輩を責めて、傷つけて、そして逆に苦しめられる日々。

私ははやく部活から逃げたかった。

そんな中むかえた、文化祭の係会。

引退した先輩たちと久々に会った。

女の先輩・千尋(ちひろ)と、流星とはプライベートでよく絡んでいたが、ほかの先輩二人とは久々の再会。

そして係会にはもちろん、同級生や後輩もいる。

気まずすぎて逃げ出したかった。



係会が終わった後、みんなは体育館に向かった。

部活が始まるまで少し時間があったので、私はのんびり荷物をまとめ、みんなが図書室から出るのを待つ。

すると流星に話しかけられた。

そして、悩んでいたことをずっと聞いてくれた。

二人きりの図書室。

ドキドキがとまらない。

そして、新への少しの罪悪感。

いろいろな感情が混じる。

でも、言いたいことを打ち明けることができてスッキリした。

放課後にわざわざ時間を使って話を聞いてくれた流星。

このころの私は、本当の恋というものを知らない。
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