3度目の正直〜幸せはそこに落ちていた〜
2019年3月。

流星を含む先輩たちは高校を卒業。

卒業式では、自分の卒業よりも辛いんじゃないかレベルで泣いた。

高校生活を送るうえで、かけがえのない存在だった先輩たち。

そんな先輩たちと離れるのが寂しかった。

卒業式を終えてから、私の心にはぽっかりと穴があいたようだった。

何もうまくいかない。

一人でいることも増えた。

掃除の時間にこっそり携帯をいじった。

自殺しようとした時もあった。

でも、先輩たちは私と仲良くしてくれた。

嬉しかった。



そして離任式の日。

初めて流星と二人で過ごした。

今まで、彼氏以外の異性と二人で出かけたことはない私にとって、この日を複雑な気持ちでむかえた。

朝は母が私と流星を学校まで乗せていってくれた。

用事があって部活に遅れていった私のために、スーツ姿で一緒に外周を走ってくれた。

部活の後、一緒に昼ごはんを食べに行った。

でも不思議と居心地がよかった。
< 8 / 15 >

この作品をシェア

pagetop