あの日の青に、君だけがいない
*
“受験も終わったから、久しぶりに走らないか”
そんなメッセージがスマホを震わせたのはつい1時間前だ。
私と柚は高校を卒業するまで同じ陸上部に所属していて、休日はよく2人で川縁を走るような仲だった。
陸上部は幽霊部員が多くて、加えて元々の人数も少なかったから、実質毎日欠かさず部活に顔を出していたのは私と柚くらいだった。
私と柚の2人だけが好きだった。
走ることが、何よりも。
風に溶けていく感覚が引退してしばらく経った今も、私を離してくれない。
きっと柚もそうなんだろう。
だからそのメールには返信せずに、私は柚の電話番号に直接かけた。
“受験も終わったから、久しぶりに走らないか”
そんなメッセージがスマホを震わせたのはつい1時間前だ。
私と柚は高校を卒業するまで同じ陸上部に所属していて、休日はよく2人で川縁を走るような仲だった。
陸上部は幽霊部員が多くて、加えて元々の人数も少なかったから、実質毎日欠かさず部活に顔を出していたのは私と柚くらいだった。
私と柚の2人だけが好きだった。
走ることが、何よりも。
風に溶けていく感覚が引退してしばらく経った今も、私を離してくれない。
きっと柚もそうなんだろう。
だからそのメールには返信せずに、私は柚の電話番号に直接かけた。