桜田課長の秘密
食い気味に答えたのは、条件反射のようなもので……
決して相田さんが嫌いだからとかではなく。
むしろ、私の男性不信を治してくれるのは、この人しかいないんじゃないかとさえ思う。
「まあ、そうだよねえ。ランチに漕ぎつけるのに3ヶ月……どう考えても好かれちゃないのは、分かってました」
ガクリと肩を落とした彼に『違うんです』と慌てて否定する。
「その、私……男の人が苦手で。……でも、今日は凄く楽しかったし、相田さんは素敵な方だと思います」
「ほんとっ!?」
「はい……ただ、どうして私なんですか?」
営業と庶務でそう接点もないし、一流企業だけあって華やかな女性も沢山いる。
「うーん。理由は山ほどあるけど……一番は、笑顔かな?」
「笑顔……ですか」
「そう。分け隔てなくみんなに笑顔を向けられる子って、貴重だと思うんだ」
相田さんは肩をすくめて、小さく笑う。
「俺……苦手なんだよね、人によって態度を変える女って」
言葉には出さなかったけど、庶務課のハイエナ軍団のことだろう。
決して相田さんが嫌いだからとかではなく。
むしろ、私の男性不信を治してくれるのは、この人しかいないんじゃないかとさえ思う。
「まあ、そうだよねえ。ランチに漕ぎつけるのに3ヶ月……どう考えても好かれちゃないのは、分かってました」
ガクリと肩を落とした彼に『違うんです』と慌てて否定する。
「その、私……男の人が苦手で。……でも、今日は凄く楽しかったし、相田さんは素敵な方だと思います」
「ほんとっ!?」
「はい……ただ、どうして私なんですか?」
営業と庶務でそう接点もないし、一流企業だけあって華やかな女性も沢山いる。
「うーん。理由は山ほどあるけど……一番は、笑顔かな?」
「笑顔……ですか」
「そう。分け隔てなくみんなに笑顔を向けられる子って、貴重だと思うんだ」
相田さんは肩をすくめて、小さく笑う。
「俺……苦手なんだよね、人によって態度を変える女って」
言葉には出さなかったけど、庶務課のハイエナ軍団のことだろう。