桜田課長の秘密
熱い……体の芯から生まれた熱が、出口を求めて渦巻いている。

静かな部屋に、私の吐き出す泣き声みたいな呼吸が響く。

どうして?
私はどうして、こんなに淫らな息を吐き出しているんだろう。

男の目に、下着姿すら晒したことがないのに。

苦しくて、切なくて、なのに甘くて……
どうにかなってしまいそうだった。

「もっ……それっ、やっ!」

じれったいほど緩やかな動きは、意地悪に欲望だけを煽りつづけ……

「辛そうですね……物足りないですか」

不意に与えられた強い刺激に、体が大きく跳ねた。

「あっ、やっ……かちょ……」

だけどそれは一瞬だけで、欲しかった刺激は、すぐに遠ざかる。
そうして、また優しく触れられるだけの刺激に戻って……
かと思うと、気紛れに先端を指で強く弾かれたり。

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