藍色の夜
「あー...ん。デートじゃないけどな。」
ただ一緒に出掛けただけだし、そう付け足した彼はやっぱり抜かりがない。
「(いつもの事だしいちいち気にする方が変なのかもしれないけど、)」
それでもやっぱり傷付いてしまうのが乙女心というもので。
若干痛む心に気付かないフリをして、私は曖昧な笑みを零した。
「って、は?それだけ...?」
数秒の微笑の後押し黙った私に、彼は意味がわからないとでも言いたげな声を上げる。