【完結】その口止め料は高すぎますっ
「なに、お前帰んの? 二次会行かないの?」
「行きません」
極力短く答える。『お前』って、なんでそんなに馴れ馴れしいんだろう。もうとっくに他人なのに。
「ほんとは来たいんだろ? そんなに意識しなくてもいいからさー」
なぜそう思うんだろう。内心愕然とする。
『男ってさ、特に自己中なタイプってなんでも自分にだけ都合のいいように解釈するから。昔傷つけた相手でも、なぜか俺のこと今でも好きだろうって思ってたりするんだよね』
春海の言葉が脳裏に蘇る。
まさかと思っていたら、その通り、いやそれ以上だった。
「俺のメッセージアプリのID、教えてやってもいいけど?」
もはや言葉が出てこない。
遠目には変わらないと思ったけど、こうして近くでみるとあごの線がだらしなく緩んでいる。早くもお腹が出てきて、ベルトの上に肉が乗っていた。そういえばラーメンとか脂っこい食べ物に目がなかったっけ。
どうしてこうも違うんだろう。
花を愛して、ペリエを好んで、美しいものを生み出す手を持っている、あのひとと。
「行きません」
極力短く答える。『お前』って、なんでそんなに馴れ馴れしいんだろう。もうとっくに他人なのに。
「ほんとは来たいんだろ? そんなに意識しなくてもいいからさー」
なぜそう思うんだろう。内心愕然とする。
『男ってさ、特に自己中なタイプってなんでも自分にだけ都合のいいように解釈するから。昔傷つけた相手でも、なぜか俺のこと今でも好きだろうって思ってたりするんだよね』
春海の言葉が脳裏に蘇る。
まさかと思っていたら、その通り、いやそれ以上だった。
「俺のメッセージアプリのID、教えてやってもいいけど?」
もはや言葉が出てこない。
遠目には変わらないと思ったけど、こうして近くでみるとあごの線がだらしなく緩んでいる。早くもお腹が出てきて、ベルトの上に肉が乗っていた。そういえばラーメンとか脂っこい食べ物に目がなかったっけ。
どうしてこうも違うんだろう。
花を愛して、ペリエを好んで、美しいものを生み出す手を持っている、あのひとと。