【完結】その口止め料は高すぎますっ
彼の温もりが、まなざしが、言葉が、仕草が、そのすべてがわたしを満たして、熱い滴りとなって目からあふれだす。その雫を彼の舌先がやさしくすくい取る。

「…あなたが好きです」
やっとのことでその想いを口にする。

「その言葉が聞きたかった」

彼が耳元で紡ぐささやきに包まれて、そのままやさしい眠りに落ちていった。

———仰向けに横たわる直斗さんの端正な横顔。夜明けのシルエット。互いに分け合う体温。

そんな初めてを知りながら迎える朝は、やっぱり気恥ずかしくて。

「…離して」「ダメ」

そんなやりとりの末に、ようやく彼の腕から抜け出して、バスルームで熱いシャワーを浴びた。

入れ替わりに直斗さんがバスルームに入っている間に、スマホをチェック。
何件かメッセージが届いていた。
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