【完結】その口止め料は高すぎますっ
食事を終えて、ふたりで食器をキッチンに下げていると、ふとという感じで直斗さんがわたしを胸の中に抱き寄せた。
「直斗さん…」
「花乃が痛みは俺の痛みなんだ」まっすぐに告げられる彼の言葉。
「花乃が苦しいと思うことは、俺も苦しい。花乃の喜びは俺の喜びで、こんな想いは初めてだ」
「わたしもです」
言葉が気持ちに追いつかない感覚が、なんとももどかしい。わたしの怪我で、彼が心を痛めていることに、わたしもまた胸が痛む。
汲めども尽きない泉のように、あふれる想いを与え合う。
いつもより早く起きたはずなのに、朝の時間はあっというまに過ぎてしまった。
直斗さんに染められた心はメイクにも現れて、今朝は眉にまでピンクを忍ばせてしまった。
アイシャドウに使ったピンク色をブラシでふわっと眉にも乗せる。目元に統一感が出るテクニック、と香帆ちゃんに教わった。
チークをつけなくてもいいくらい、頬が上気している。瞳も肌も、内から幸せがにじんでいるみたいで、恋って最高のメイクなのかもなんて思ってしまった。
口下手なわたしの気持ちを、メイクは言葉以上に雄弁に語ってくれる。
「直斗さん…」
「花乃が痛みは俺の痛みなんだ」まっすぐに告げられる彼の言葉。
「花乃が苦しいと思うことは、俺も苦しい。花乃の喜びは俺の喜びで、こんな想いは初めてだ」
「わたしもです」
言葉が気持ちに追いつかない感覚が、なんとももどかしい。わたしの怪我で、彼が心を痛めていることに、わたしもまた胸が痛む。
汲めども尽きない泉のように、あふれる想いを与え合う。
いつもより早く起きたはずなのに、朝の時間はあっというまに過ぎてしまった。
直斗さんに染められた心はメイクにも現れて、今朝は眉にまでピンクを忍ばせてしまった。
アイシャドウに使ったピンク色をブラシでふわっと眉にも乗せる。目元に統一感が出るテクニック、と香帆ちゃんに教わった。
チークをつけなくてもいいくらい、頬が上気している。瞳も肌も、内から幸せがにじんでいるみたいで、恋って最高のメイクなのかもなんて思ってしまった。
口下手なわたしの気持ちを、メイクは言葉以上に雄弁に語ってくれる。