【完結】その口止め料は高すぎますっ
「お待たせしました、行きましょうか」
12時を1、2分ほど回って現れた小原さんは、そう言って歩き出した。
慌てて彼について歩き出す。背高いな、単純なことにあらためて気づく。
「駅と反対方向だから、うちの会社のひとと出くわさないんですよ」
「そうなんですか…」
それは会社のひとに聞かれたくない話をするという意味なのか。なにがなんやら、もうよく分からない。
地中海をイメージしたような明るい内装の店内で、とりあえずパスタのセットを注文する。小原さんも同じものを注文した。
食欲をくすぐるオリーブオイルの香りがただよう。こんな状況じゃなかったら、楽しめただろうに。
セットのサラダが運ばれてきたタイミングで「牧瀬さん、なんでイベントでバイトしてたの?」と小原さんから質問が飛んできた。
なんというか、言動がストレートなひとだ。
わたしはぼそぼそと、従姉妹がメイクアップアーティストで、突然体調を崩してしまってサポートでアシスタントをしていたことを説明した。
12時を1、2分ほど回って現れた小原さんは、そう言って歩き出した。
慌てて彼について歩き出す。背高いな、単純なことにあらためて気づく。
「駅と反対方向だから、うちの会社のひとと出くわさないんですよ」
「そうなんですか…」
それは会社のひとに聞かれたくない話をするという意味なのか。なにがなんやら、もうよく分からない。
地中海をイメージしたような明るい内装の店内で、とりあえずパスタのセットを注文する。小原さんも同じものを注文した。
食欲をくすぐるオリーブオイルの香りがただよう。こんな状況じゃなかったら、楽しめただろうに。
セットのサラダが運ばれてきたタイミングで「牧瀬さん、なんでイベントでバイトしてたの?」と小原さんから質問が飛んできた。
なんというか、言動がストレートなひとだ。
わたしはぼそぼそと、従姉妹がメイクアップアーティストで、突然体調を崩してしまってサポートでアシスタントをしていたことを説明した。