【完結】その口止め料は高すぎますっ
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ことの始まりは、二日前。
「花乃、一生のお願い」
青白い顔でベッドに横たわる香帆ちゃんが、苦しげに言葉をしぼりだす。
「香帆ちゃん、気持ちは分かるけど、無理しないほうがいいんじゃない」
冷えピタを変える手を止めて、話しかける。
「わたしがようやく掴んだ大きなチャンスなの」
香帆ちゃんが瞳を潤んでいるのは、熱のせいだけじゃないはずだ。
七歳年上の従姉妹の香帆ちゃんは、フリーランスでヘアメイクの仕事をしている。
美容の専門学校を卒業して、大手コスメブランドの美容部員からキャリアをスタートした。
数年経験を積んで、ヘアメイクの事務所に転職。
ブライダルメイクを担当して、花嫁さんに喜んでもらえたこと。
バラエティ番組に出演する男性タレントさんに、増毛スプレーをかけて薄毛隠しをしたかと思えば、外国人のモデルさんのタトゥーをコンシーラーで隠すのに苦労したり。
そんなエピソードをいつも面白おかしく話してくれた。
ことの始まりは、二日前。
「花乃、一生のお願い」
青白い顔でベッドに横たわる香帆ちゃんが、苦しげに言葉をしぼりだす。
「香帆ちゃん、気持ちは分かるけど、無理しないほうがいいんじゃない」
冷えピタを変える手を止めて、話しかける。
「わたしがようやく掴んだ大きなチャンスなの」
香帆ちゃんが瞳を潤んでいるのは、熱のせいだけじゃないはずだ。
七歳年上の従姉妹の香帆ちゃんは、フリーランスでヘアメイクの仕事をしている。
美容の専門学校を卒業して、大手コスメブランドの美容部員からキャリアをスタートした。
数年経験を積んで、ヘアメイクの事務所に転職。
ブライダルメイクを担当して、花嫁さんに喜んでもらえたこと。
バラエティ番組に出演する男性タレントさんに、増毛スプレーをかけて薄毛隠しをしたかと思えば、外国人のモデルさんのタトゥーをコンシーラーで隠すのに苦労したり。
そんなエピソードをいつも面白おかしく話してくれた。