【完結】その口止め料は高すぎますっ
「無事に婚約者役を務めてくれたら、牧瀬さんがとあるイベントでこっそり働いていたことは、誰にも口外しない」

卑怯です、と言いたくて言えないのは、小原さんに弱みを握られてしまっているから。

「たまたまバックヤードの風景を撮影させてもらったら、知ってる女性が写り込んでたけど、その画像もどこかにアップしたりはしないから」

絶対たまたまじゃない、と思いつつ全身を冷や汗がつたう。

あくまでも爽やかに「というわけで、今日からよろしくね牧瀬さん」と告げる彼に、わたしは力なくうなずくしかなかった。
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