【完結】その口止め料は高すぎますっ
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「はああ〜」
自室のソファーに寝っころがって、盛大にため息をつく。
なんでこんなことになっちゃったんだろう。なんでかっていったら、コスメイベントに香帆ちゃんの手伝いで参加してしまったから、なんだけど。
そこから小原直斗さんの婚約者を務めることになってしまうなんて、無茶苦茶だ。
おまけに彼の口から宣告されたのは「明日から俺と同居だから」だった。
「ちょ、ちょっと待ってください」さすがにそこには食い下がった。
「なんでわたしと小原さんが同居するんですか!?」
時間がない、と彼の返事は簡明だった。
「早ければ来週末にはうちの両親と顔を合わせることになる。多少のぎこちなさは、緊張ということでごまかせるだろうけど、俺と他人行儀じゃまずい。半年ぐらい付き合っていて、そろそろ結婚も意識…っていう設定でいくつもりだから」
「だからって同居までしなくても…」
「短期間でなじんだ雰囲気を出すには、接する時間を増やすしかない。とりあえず二、三日分の荷物持って来てくれれば、必要なものは用意するし後で引越しの手配もする」
よどみない小原さんの言葉を、わたしはただ呆然と聞いていた。
「はああ〜」
自室のソファーに寝っころがって、盛大にため息をつく。
なんでこんなことになっちゃったんだろう。なんでかっていったら、コスメイベントに香帆ちゃんの手伝いで参加してしまったから、なんだけど。
そこから小原直斗さんの婚約者を務めることになってしまうなんて、無茶苦茶だ。
おまけに彼の口から宣告されたのは「明日から俺と同居だから」だった。
「ちょ、ちょっと待ってください」さすがにそこには食い下がった。
「なんでわたしと小原さんが同居するんですか!?」
時間がない、と彼の返事は簡明だった。
「早ければ来週末にはうちの両親と顔を合わせることになる。多少のぎこちなさは、緊張ということでごまかせるだろうけど、俺と他人行儀じゃまずい。半年ぐらい付き合っていて、そろそろ結婚も意識…っていう設定でいくつもりだから」
「だからって同居までしなくても…」
「短期間でなじんだ雰囲気を出すには、接する時間を増やすしかない。とりあえず二、三日分の荷物持って来てくれれば、必要なものは用意するし後で引越しの手配もする」
よどみない小原さんの言葉を、わたしはただ呆然と聞いていた。