【完結】その口止め料は高すぎますっ
別れちゃった、と投げやりな口調で返ってきた。
「え、早くない? どうしてまた」
彼氏ができたの、と打ち明けられたときはあんなに嬉しそうだったのに。一つ年下だけど穏やかで素直な性格で、いちども喧嘩したことがないのが不安っていえば不安、なんてのろけてた。
「簡単にいえば、合わなかった」と浮かない様子で春海が続ける。
「食べものの好みも、好きな音楽も、興味関心がことごとく噛み合わないの。というかゲーム三昧で、オンラインゲームに何万も課金してたり。なのにデートのときの食事代はケチるとか」
あちゃあ、と思わずつぶやいてしまった。
「最初はやさしくて穏やかなんて思ったけど、なんていうか暖簾に腕押し。なに言ってもへらへらうなずいてるだけで、べつにわたしの話を聞いてるわけじゃないんだなって気づいたら、もう虚しくなって」
「それは…別れて正解かもね」
「うん、もうせいせいしましたよ」春海がカシスソーダを大きくすすって、ひとつ息をついた。
「だから今度の莉子と坂本先輩の結婚式で、出会いに期待しちゃおうかな。っていっても大学関係だと、もともと知ってるひとも多いだろうけど」
「え、早くない? どうしてまた」
彼氏ができたの、と打ち明けられたときはあんなに嬉しそうだったのに。一つ年下だけど穏やかで素直な性格で、いちども喧嘩したことがないのが不安っていえば不安、なんてのろけてた。
「簡単にいえば、合わなかった」と浮かない様子で春海が続ける。
「食べものの好みも、好きな音楽も、興味関心がことごとく噛み合わないの。というかゲーム三昧で、オンラインゲームに何万も課金してたり。なのにデートのときの食事代はケチるとか」
あちゃあ、と思わずつぶやいてしまった。
「最初はやさしくて穏やかなんて思ったけど、なんていうか暖簾に腕押し。なに言ってもへらへらうなずいてるだけで、べつにわたしの話を聞いてるわけじゃないんだなって気づいたら、もう虚しくなって」
「それは…別れて正解かもね」
「うん、もうせいせいしましたよ」春海がカシスソーダを大きくすすって、ひとつ息をついた。
「だから今度の莉子と坂本先輩の結婚式で、出会いに期待しちゃおうかな。っていっても大学関係だと、もともと知ってるひとも多いだろうけど」