【完結】その口止め料は高すぎますっ
「どこに出会いがあるか分からないもんね」
すぐに切り替えができる春海がうらやましい。
「花乃はどうなの、恋愛のほうは?」春海が遠慮がちに訊いてくる。
相変わらずごぶさた、と言葉少なに答えた。
そっか、とつぶやいた春海は手元に視線を落として紙ナプキンをいじくると「溝口先輩も呼ばれてるらしいよ」と告げた。
「そうなんだ」
触れて欲しくないけど、知りたかったことだ。わたしは春海みたいにすぐ切り替えられない。前を向けない。
「ごめんね、気を使わせちゃって」
「まぁしょうがないよね、坂本先輩と溝口先輩は同級生だし」
「うん…」
わたしと溝口先輩の事情なんて、しょせん周りには関係ないこと。ただ莉子と坂本先輩は結婚というひとつの形に納まり、わたしと溝口先輩はそうならなかったというだけだ。
「あっちもまだ独身らしいよ」
「へえ」
春海、聞いておいてくれたんだな。
「うん、あの彼女とは結局すぐ別れたんだとか」
すぐに切り替えができる春海がうらやましい。
「花乃はどうなの、恋愛のほうは?」春海が遠慮がちに訊いてくる。
相変わらずごぶさた、と言葉少なに答えた。
そっか、とつぶやいた春海は手元に視線を落として紙ナプキンをいじくると「溝口先輩も呼ばれてるらしいよ」と告げた。
「そうなんだ」
触れて欲しくないけど、知りたかったことだ。わたしは春海みたいにすぐ切り替えられない。前を向けない。
「ごめんね、気を使わせちゃって」
「まぁしょうがないよね、坂本先輩と溝口先輩は同級生だし」
「うん…」
わたしと溝口先輩の事情なんて、しょせん周りには関係ないこと。ただ莉子と坂本先輩は結婚というひとつの形に納まり、わたしと溝口先輩はそうならなかったというだけだ。
「あっちもまだ独身らしいよ」
「へえ」
春海、聞いておいてくれたんだな。
「うん、あの彼女とは結局すぐ別れたんだとか」