幼なじみの彼とわたし
いずみんとはそんなに背が変わらないから大丈夫だと思うけど、わたしより10cm以上背が高い麻ちゃんにはわたしの服では小さいかも。


あ、そういえば…!

あるある!
男性もののTシャツにハーフパンツ。

本人に断りもなく勝手に出すのは気が引けるけど。


「はい、これ」

「いいの?ありがとう!」


いずみんにはわたしのTシャツとスウェットを渡す。


「麻ちゃんはわたしのどうかなぁ。わたしのだと小さいよね?大きいのがよかったらこれもあるけど?」


右手にわたしのTシャツとスウェット、左手にぶかぶかのTシャツとハーフパンツを持ち、両方出してみると麻ちゃんの冷たい目線とぶつかる。


「亜衣紗、男兄弟いたっけ?」

「いや、いないけど」


ん?麻ちゃん、どうしたんだろ?
と思う前に、麻ちゃんの声がとんでくる。


「だよね?これ、男性用じゃない?」

「うん」


大きい方のTシャツとハーフパンツを広げて、自分の体に当てている。
わたしが履くと七分丈くらいになりそうなハーフパンツが、麻ちゃんだとちゃんとハーフパンツになっている。

やっぱり麻ちゃんスタイルいいなぁと眺めていると。


「じゃあ誰の?亜衣紗パパの?」
「亜衣紗ちゃんのお父さんのにしては若者向きじゃない?」


いずみんまで。


「じゃあ誰の?亜衣紗、男用も着るの?」
「あ、元カレのとか?」
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