幼なじみの彼とわたし
「亜衣…？」

返事はない。
やっぱり寝てるのか。
体勢的に顔が見えないからわからない。


てか、この体勢、かなりヤバイな。
自分の心臓がバクバク動いているのがわかる。
ずっとこのままでもいるか、ソファに寝かせるか。。。
悩んでいたとき、亜衣の声が聞こえてきた。


「失恋…しちゃった…」

「……は？」


頭が真っ白になる。
体もフリーズして動きが止まってしまたみたいだ。


今なんて言った？
失恋？
誰が誰に？

でも、、、
亜衣が…だよな。。


「…嘘だろ」


心の声がそのまま本物の声に変わる。


失恋した、ということは、相手にもうコクったのか？

真っ白になっていた頭が今度はフル回転だ。


亜衣にそんな人がいたのか。
いたとしたら誰だ？
それよりそんなそぶりはあったか。


考えても何もピンと来るものはない。


気がつくと、亜衣の体を引き離していた。


「…遥ちゃん？あ、ごめん、寝ちゃってた」

「あ、ごめん、起こしたな」


そのせいで、亜衣は目が覚めたようだ。
あくびをしながら、両手で目を擦っている。
ソファに並んで座っているが、さっきまでの密着は跡影もなく、ちゃんとスペースができている。


「寝るのはいいんだけど。どうしても気になって。聞いてもいい？」

かなり動揺したが、できるだけ何事もなかったかのように冷静に言ってみる。
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