幼なじみの彼とわたし
遥ちゃんは宣言どおり、週に1、2回ほど泊まっていて。

「これからも泊まるから」と、洗面所には男性用のものもいくつか置いてあり、部屋の隅には着替えや下着、スーツまで置いてあるのが目に入り、見るたびに未だにドキッとしてしまう。


寝るときは、わたしはベッド、遥ちゃんはソファとローテーブルの間に布団を敷いて寝ている。
別々に寝るにしても緊張して寝れないかな、と思っていたけど意外と寝れるもので。
自分の神経の図太さに呆れる。


そんなことを思っているとスマホがなる。
遥ちゃんからだ。


「もしもし?」

「亜衣?何してる?もう家?」


一緒に帰れなかった日はいつも連絡をくれるようになった遥ちゃん。
そこまでしてくれなくても大丈夫なのになぁと思うけど、電話をくれることが嬉しくて何も言わず電話をもらうようにしている。


「うん、さっきついたとこ。これからごはん食べるよ。遥ちゃんは?」

「まだ会社。もう少ししたら帰るよ」

「そうなんだ。遅くまで大変だね。気をつけて帰ってね」

「おぅ。亜衣もしっかり戸締りしてから寝るんだよ」

「うん」


短い電話だけど、やっぱり声が聞けるのは嬉しい。

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