幼なじみの彼とわたし
「うん、そのへんは大丈夫。俺、真面目に想ってるから」

そう言って千尋のほうを向くと、千尋も森田さんのほうを向いていてふたりで見つめあいながらはにかんでいる。

まぶしい。
ふたりがまぶしすぎて、まっすぐ前が見れない。


「あ、その報告のオトメさんなのね」

どおりで。
ちょっと急だなぁとは思った。


「うん、亜衣紗は私達のキューピッドみたいなもんでしょ?だから、一番に報告しようと思って」

「キューピッドって言っても連絡先教えただけだし、何にもしてないよ」


千尋たちが頼んでくれていた食べ物をつまみながら言う。
本当に何もしてない。
自分達で連絡をとりあってつきあうことになったんだから。


「いやいや、亜衣紗ちゃんには感謝してるんだよ。千尋と会わせてくれたんだから」

森田さんまで。


「でも…」

でも?
何だろう。


「俺、千尋とつきあうことになって、亜衣紗ちゃんに悪い気がしてて…。亜衣紗ちゃんに声かけたのにその友達に乗り換えた、みたいな。なんかごめんね」


へ?
この展開って。


「謝らないで。わたし、告白もしてないのにフラれたみたいになってるパターンになってるから!」

「「はははは」」


みんなで笑いあう。
笑うふたりを見てお似合いだな、なんて思ったりして。


「あぁどうしよう、嬉しすぎる」


千尋が本当に幸せそうで涙が出てくる。
で、ふと気づく。
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