幼なじみの彼とわたし
「そうみたいだな。千尋もよかったな、また好きな人ができて」

「…遥ちゃん、大丈夫?」

「何が?」


何がって。
あれ?遥ちゃん、千尋が好きだったんじゃないの?
それにしては悲しそうな雰囲気は出てないよね。
遥ちゃんが千尋を好きっていう説、違ってたってこと?


えぇーーーー、何で?
頭がフル回転で逆に働いてない。


「何が大丈夫かわかんないんだけど」

「あ、なんでもない…かな。よかったなと思って」

「亜衣がキューピッドなんだってね」

へへ。
そう言われると照れちゃう。

パーキングにつき、車に乗り込むと、急に狭い空間にふたりきりになったことを意識するのと同時に、千尋の「今日ちゃんと気持ちを伝えるのよ!」の言葉が頭をぐるぐるまわって、へんに緊張してしまう。


遥ちゃんが話しかけてくれるけど上の空で。
話も右から左だ。
そうこうしていると車がうちについたみたい。


「ありがとう。遥ちゃん、あがっていくでしょ?」

緊張してしまうのに、いつもの癖でついつい聞いてしまった。

「うん、そうだな。車おいてからまた行ってもいい?」

「うん、いいよ、待ってる」


遥ちゃんを見送ったあと、何か一緒にスイーツ食べたいなと思い、徒歩3、4分ほどのコンビニに向かった。


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