幼なじみの彼とわたし
12月

side 亜衣紗

12月に入り、もう街はクリスマス一色だ。
今までのクリスマスは…、と思い返してみても毎年遥ちゃんと過ごしている。

でも今年は両想いになれたことだし、特別なクリスマスになりそうな予感がして、例年以上にワクワクしながら過ごしていた。

食堂でいずみんとお昼が一緒になって。


「亜衣紗ちゃん!一段とかわいくなっちゃって。もしかして?」


にっこり笑ういずみん。
すぐに報告しようと思ってたけど、恥ずかしくてなかなか連絡できず、会ったときにそんな話題になったら話そう、と先伸ばしにしてたのだ。


「うん、実は先月ね」

「うそーーー!!おめでとう!!」


体を乗り出しぎみに満面の笑みで祝福してくれてる。
嬉しいけどやっぱり恥ずかしい。


「ほらあの日さ…」


いずみんとふたりでわたしの家で女子会した日ね。


「わたし、ちょっと意地悪な言い方しちゃったじゃない?ふたりの気持ち知ってたからさ。煽ったら早くくっつくかなぁなんて思っちゃって。でも、そのあとしばらく亜衣紗ちゃん、明らかに元気なかったから、本当悪いことしたなぁと思ってたの」

「うん、あのときは、すっごく凹んでた」


今だから笑って話せるけど、あのときは切なくて苦しくてよく泣いてたな。


「でも、お互いの気持ちをわたしなんかが言うわけにはいかないじゃない?」

「言ってくれてよかったのに」

「それは今だから言えるんでしょ?片想いの時期に勝手に想い伝えられたら、たまったもんじゃないじゃない?」


確かにそうかも…。

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