幼なじみの彼とわたし
「わかった!一年目のほら、人事の…」

「…そうなんだ」


言われてもピンとこない。
腕を組んだり手を繋いだりはしてなさそうだけど、とても仲よさそうに見える。
わたしには「いとこと約束してる」って言ってたのに、一年目の女の子とデートしてるなんて。


「亜衣紗ちゃん、行かなくていいの?」

「…どこに?」

「あのふたりのところよ!」

「え、いいよ」

「そっか。でも、西本くんがずーっと好きなのは亜衣紗ちゃんだからね。ちゃんと聞いてみるのよ?」


コクンと頷く。
でも、話せるかなぁ。

いずみんとは、そのあと少し話をして別れた。


家に帰ると着替えもせずソファに座りこむ。
あんなに一生懸命選んだプレゼントもどうでもよくなってしまう。


そして、遥ちゃんはと言うと。

「しばらく忙しくて、亜衣のところ行けれない。ごめん」
「クリスマスは一緒にすごそう」

とのことで、来なくなってしまった。

わたしも、年末に向けてバタバタするし、と思って受け入れた。

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