幼なじみの彼とわたし
あと一週間でクリスマス本番という日、スマホがメッセージの着信を知らせた。
森田さんから。

『明日の仕事終わり時間ある?ちょっとつきあってほしいんだけど』

なんだろう。
時間はあるにはあるけど。
森田さんには千尋がいるし、わたしにも一応遥ちゃんがいる。
行ってもいいものなのか。


『遥平には許可とってるから、そこは大丈夫』


あとからこんなメッセージが来る。
遥平?
許可とってる?
あの2人知り合い?

まぁ、遥ちゃん公認ならいっか、ということでOK の返事をした。


「亜衣紗ちゃん、ごめん、遅くなった」

「ううん、大丈夫」

「じゃ、行こうか」


森田さんは、さっさと歩き始めたので、置いていかれないようについていく。
遥ちゃんと歩くより少しペースが早い。
急いでるわけではなさそうだから、遥ちゃんがいつもどれだけ合わせてくれてるか身にしみる。

森田さんは、迷うことなくジュエリーショップの中に入っていく。


「クリスマス、千尋に指輪をプレゼントしようかと思って。でもサプライズにしたいから、好みとかサイズとか聞けないでしょ?亜衣紗ちゃんに一緒に見てもらおうと思って」 


そういうことだったのか。
それなら協力する!
あと一週間だけど間に合うんだね。


目の前にはいろんなデザインのアクセサリーたち。
思わずテンションもあがってしまうよね。


「千尋とわたし、たぶんサイズ同じだよ。前の彼氏からもら、って、た、やつ…」
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