幼なじみの彼とわたし
そういえば。
昨日の夜は遥ちゃんと話をしたくなくて電源を落としてて。
朝も慌ててきたからスマホをそのままバッグにつめてきたから、電源を確認なんてしてなかった。


「あ、ごめん、電源切ってるの忘れてた」

「今日一緒に帰るから。仕事終わったら待ってて」

小声でそれだけ言うと、自分の部署に戻っていった。


クリスマスまで時間とれない、って言ってたのに。
急に時間ができたってこと?
さくらさんはいいの?
それとも、クリスマスの約束はキャンセルだと言うために一緒に帰るの?


一緒に帰りたいような帰りたくないような。
嬉しいんだけど素直に喜べないかも。


お昼になり、食堂に行くと麻ちゃんの姿。


「亜衣紗、久しぶりー」

「ほんと。こんなに会わなかったことなかったのにね」


いつぶりだろうか。
すれ違って「お疲れさまー」くらいは言ったけど、お昼に会うのは久しぶりだ。


麻ちゃんとお昼を一緒に食べるが、やっぱり食べっぷりがいい。
なのに、理想のスタイルなのが羨ましいわ。

麻ちゃんの食べる姿をチラチラ見ながら、自分のパスタを食べていると。


「ねぇ、そういえば、森田くんはどうなったの?連絡なし?」

「え?森田さん?」

「うん」


顔をあげれば、麻ちゃんとばっちり目があう。
すると麻ちゃんが、首を縦にブンブンとする。
そういえば、麻ちゃんとは三人で食事に行って以来、森田さんの話をしてなかったよね。

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