幼なじみの彼とわたし
…は?いとこ!?

じゃあ、「いとこと約束してる」って、間違ってはなかったってこと?

確かに性別は言ってなかったかも。


「ごめん、いとこって勝手に男の人だと思ってた。で、あの日、人事の一年目の子とデートでもしてるのかと思った。そのあとクリスマスまで会えないって言うし…」

「まぁそうだよな、ごめん、勘違いさせて」

「ううん、わたしこそごめんね」


でも、いとこと分かってても、あんな仲よさそうに歩いてたら、やっぱり胸が痛むかも。


「昨日もいろいろあって。さくら…いとこね。さくらが勝手に電話に出たみたいで、ごめん。あのあと電話したんだけど出てくれなかっただろ?すぐ電源切られたし」

「だって…。デートしてるのかなぁと思ってたから。冷静に話もできないと思ったし」

「俺もそう思って部屋に行くのもやめたんだけど…。ねぇ、亜衣。誤解とけた?」


誤解はとけたと言えばとけたけど。


「うん、彼女のことはわかった。でも、最近そんなに会ってるの?わたしとは会えないって言ってたのに」


そこが一番聞きたいところだ。
わたしより彼女を優先させているのでは?と思ってしまう。


「それは…さ…」


そこは教えてくれないんだ。
いとことは言え女の人だ。
しかも、遥ちゃんと同じクールそうでキレイ系の女の人。
身長もあるし見た目も美男美女で、わたしなんかとよりお似合いに見える。

足元を見ながら言葉をつまらせながら歩く遥ちゃんを見て、何かがプツンと切れてしまったみたい。
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