幼なじみの彼とわたし

side 遥平

亜衣と想いが通じてから数日後、スマホがなる。
着信だ。
画面を見てみると『森田悠希』と表示されている。
確かに連絡先を交換したけど、本当にかかってくるとは思ってなかったから驚いた。


「もしもし」

出てみると。


「あ、もしもし、森田です」

明るい声が聞こえてくる。


「あ、あぁ」

「急に電話してビックしたでしょ?ははは。それで要件は、近々時間とってもらえないかな、と思って」


何か話があるらしい。
森田は俺の会社の近くの居酒屋の名前を出すと、「今週の木曜日、そこに19時集合で」と言って電話を切ってしまった。

なんだろうか。。


当日言われた居酒屋に行ってみると、すでに森田は来ていて。


「おぅ、西本くーん!ごめんね、呼び出して」


と一見軽そうに見える森田の姿があった。


「いや、こっちこそ待たせてごめん」


そう言って隣に座る。
要件とはなんだろうか。
とりあえず、飲み物と食べ物を何品か頼むと思いの外早く来て。
小さく乾杯をしたあと、いろいろつまみながら話をする。


「それで、話って?」

「あぁ、それね。要件その1。千尋と亜衣紗ちゃん、仲いいでしょ?だから、俺と西本くんも仲よくしておいたほうがいいかなぁーと思って」

「…へ?それが話?」


そんなことを考えていたとは。


「うん、ひとつめね。だって一緒に出かけることだってあるだろうし。そしたら、俺らもちょっとは知ってたほうが楽しいじゃん?」

「うん、まぁ、そうかもしれないけど」
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