幼なじみの彼とわたし
「頼むよ。確かに最初は亜衣紗ちゃん狙いだったけど、今は本当に千尋一筋だから。さっさと選ぶし、ちゃんと送るし、送ったら電話するし。心配なら遥平も一緒に3人で行ってもいいし」


3人で選びに行くのは、俺の中ではないな。
亜衣から聞いている悠希の人柄も悪くなさそうだ。
軽そうだけど、亜衣に手を出すようなヤツには思えない。


「いや、俺はいい。ふたりでどうぞ」

そう言うと、悠希は「さんきゅ!」と俺の肩をバンバン叩いてきた。
付き合って初めてのクリスマスだし、付き合ってあまり間がないもんな。
千尋好みのプレゼントを送りたいんだろう。


「これは借りだから。今度また何でも言って」

案外いいヤツみたいだ。
そのあとは、なんやかんや話をして親睦を深めたところで解散した。


クリスマスプレゼントか。

例年、亜衣の家に行って手料理をごちそうになって、俺が持っていったケーキを食べて過ごしているけど。
今年は関係が幼馴染みから恋人になって初めてのクリスマスだから、特別なことがしたいよな。
どこかレストランでも予約する?
それもいいんだけどな。


考えた結果、同じ会社で働いているいとこのさくらに電話をする。


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