幼なじみの彼とわたし
悠希との電話を切ったあと、すぐ亜衣に電話をかける。
呼び出し音はなっているけどなりっぱなし。
何回かけても出てくれない。

怒っているのか。
それとも嫌われたのか。

どうしたらいいんだろうか。


翌日、朝から電話をかけてみるが、電源が入ってないみたいだ。
俺、そこまで嫌われたのか。
不安しかない。

とりあえず、仕事には行く。
まだ電源入ってないし。
メッセージだと見てくれないかもしれないから。
そう考えて亜衣の部署まで行くことにした。


「高森さん?よかった。連絡とれないから焦った」


亜衣はビックリしているようだが、俺を見て逃げ出さないことがわかりほっとした。


「あ、ごめん、電源切ってるの忘れてた」


は?
忘れてた?
こっちがどんだけ心配したことか。
まぁいい。


「今日一緒に帰るから。仕事終わったら待ってて」


小声でそれだけ言うと、自分の部署に戻った。
亜衣の返事は聞いてないけど、亜衣の性格からしてOKだろう。
人の頼みは断れないヤツだからな。
できるだけ早めに仕事を終わらせよう。


『一時間ほど残業したら帰れそう』とメッセージを送り、待ち合わせのカフェへ向かう。

まずい、ノープランで誘ってしまった。
とりあえず帰りながら話そうと思い、亜衣に声をかけて駅へと歩く。
言わないといけないことはわかってるんだけど、どう話していいのかを悩んでいる間に無言になってしまい、気づいたら最寄り駅まで帰ってきていた。

何か言わないとな。


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