幼なじみの彼とわたし
どの料理も本当においしくて。
二人でたくさん食べた。
少し残ってしまったけど、お腹はぱんぱんだ。


「遥ちゃん、ごちそうさま。どれもとってもおいしかった」


遥ちゃんの目を見て言うと、顔を少し赤くして照れたような表情をした。
今日はいろんな表情の遥ちゃんが見られて嬉しいな。


「片付けはするね?」

お皿をシンクに運んで洗おうとしてあることに気づく。


「ねぇ、遥ちゃん。遥ちゃんちってこんなにキッチン用品あったっけ?」


前はもっとさみしいキッチンだった気がするんだけどな。


「あぁ、それね。さくらに付き合ってもらって揃えたんだ。たぶん、亜衣が見た、っていうあの日」

「そっか」


あ、あの、いずみんとプレゼント買いにいったときのツーショットね。
そこでいろいろ揃えて練習してくれてたんだ、と嬉しく思う。
あのときはツーショットのふたりを見てどん底に落ちた気分だったけど。

片付けたあとソファに向かおうとして、ドラッグストアの袋が目に入る。


「あ、そういえば、遥ちゃん!」

慌ててソファにいる遥ちゃんのもとに駆け寄り、膝立ちで前に座り、勝手に遥ちゃんのおでこや首回りを触ってみる。
熱は…、なさそうよね。


「何?亜衣の手冷たいんだけど」


少しくすぐったそうで迷惑そうな遥ちゃん。


「体調が悪くて早退したんでしょ?だから、途中でいろいろ買ってきた…んだ…けど」


すっかり忘れてたけど遥ちゃんは体調不良で早退したって。。
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