幼なじみの彼とわたし
「え?体調は見ての通り。ぴんぴんだけど?」


え?はこっちのセリフだけど。
ぴんぴんってどう言うこと?
遥ちゃんもキョトンとしてたけど。


「あいつ…、佐原がそう言ったの?」

「あ、うん。え?なんでわかったの?」

「ひみつ。今日は体調不良じゃないよ。もともと午後から半休もらう予定にしてたから帰っただけ。そのために前もって仕事終わらせてたし。こんなクリスマスに午後半休はさすがにひんしゅく買ったけどね」


佐原くんが嘘をついたってこと?
何のために?
ってか、遥ちゃんと佐原くんって?
仲良かったっけ?
接点がわからない。



考えていると「もういいだろ」という声。

少しかすれ気味だ。
遥ちゃんの顔を見ると、遥ちゃんの顔がだんだん近づいてくる。


気づくと唇にあたたかい感触。


キスだ…!!
つきあってから何回か唇にしたことはあるけれど、やっぱりドキドキする。

少しして離れたかと思うと、今度は啄むようなキス。
遥ちゃんは何回も角度をかえてはキスをしてくる。
こんなキスは初めてだ。


え、え、わたしはどうしてればいいの?
ドキドキしてるのとプチパニックなのと。
でもそれ以上に嬉しくて幸せ。


すると、膝立ちだったわたしの体がふわっと浮いて、ソファに座る遥ちゃんの脚の上に落とされた。
向かい合って座っている構図だ。


何この体勢。
恥ずかしすぎる。


…っ!!


何か言おうと口を少し開いた瞬間に、暖かいものがぬるっと口の中に入ってきた。
と同時に後頭部が遥ちゃんの手によって固定される。


ちょっと待って。
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